プリウス(30系)のリアブレーキディスとプレーキパッドの交換


僕のプリウスのリアブレーキディスクローターの錆が酷い状態になり自分で交換しました。

交換が必要な状態の見極めと自分で交換する場合の手順と注意点を中心に解説します。




交換が必要な状態は?

車のブレーキは、ブレーキパッドでブレーキディスクを挟むことによる摩擦抵抗で制動力が発生します。ブレーキパッドとブレーキディスクは擦れ合い摩耗しますのでいつかは交換が必要になります。

ブレーキパッドは、音が鳴ったら交換

運転の仕方によって摩耗の速さに差が出ますが、ブレーキパッドには、減ってくるとブレーキ音が鳴りだすセンターがついていますのでそれが目安になります。パッドウェアインジケーターと言います。

ほかには、ブレーキパッドの厚さが2~3mm位になったらインジケータの音が鳴り出す手前ですので、交換の目安です。


ブレーキディスクローターは10万km以上

ブレーキディスクについては、一般的には10万kmが目安と言われていますが、実際には、もっと持ちます。ただし、錆が酷いと交換が必要な状態になることがあります。

段差や歪み等があれは交換

ブレーキディスクの摩耗の痕に段差がある場合は、偏磨耗を起こしているのでブレーキパッドと合せて交換する目安となります。

偏磨耗を起こしている状態で、交換せずに使い続けると、ブレーキパッドのあたる面積が少なくなってきます。


こちらの写真は、錆は発生していますが、ブレーキパッドは、きちんとあたっていますので、まだ交換しなくても大丈夫です。
ブレーキパッドのあたる場所に、金属の下地が出ている場合は、ブレーキパッドがきちんとあたっています。

次の写真は、本来ならブレーキパッドがあたるディスクの周辺に錆が浮いています。

この様に錆が浮いている場合は、ブレーキパッドがあたっていない状態ですので、ブレーキの制動力が弱くなっています。ここまで来ると車検をパス出来ないうえに、実使用においても制動力が弱くなっているため直ちに交換しましょう。

ちなみに、取り外した裏側(内側)もひどい状態です。


ここまで来ると、ブレーキパッドも目に見て分かる程に偏摩耗しています。

これらのブレーキディスクの周辺まで錆びた写真は、お恥ずかしいことに僕のプリウスのリアブレーキです。定期点検整備をお願いしているディーラーからも1年前から指摘されていましたが、交換を先延ばしにしていたらこうなりました。

これは、かなりひどい状態ですので、交換をします。


プリウス(30系)のリアブレーキディスクローターとブレーキパッドの交換方法

用意する物

(必ず必要なもの)
ブレーキディスクローター
ブレーキパッド
メガネレンチ(14㎜)
ホイールナット用レンチ(21㎜)
ジャッキ
プライヤー等

(あると良いもの)
パーツクリーナー
汚れを拭く布
シリコングリス
真鍮ブラシ
歯ブラシ
M8のボルト

ちなみに、今回用意したブレーキディスクローターとブレーキはこちらです。



DIXCELで揃えてみました。国内のブレーキパーツ専門メーカーなので安心です。

交換手順

車体をジャッキアップしリアタイヤを取り外します。

ブレーキキャリパーを固定している2本のボルトを緩めます。スライドピンのところに、後ろからとめてあるボルトです。


固着して固い場合があるので、メガネレンチなどのしっかり力をからけれる工具を使いましょう。

ブランケットとキャリパーが分離します。
キャリパーを持ちあげ、ブレーキホースにテンションが掛からない様に、サスペンションに吊るしておきます。


続いて、ブランケット(ブレーキパッドが収まっている部品)を固定している2本のボルトを緩め、ディスクローターからブランケットを取り外します。


錆が酷いですね。

ブランケットを外せば、ブレーキディスクローターも車体から取り外せますが、固着して外せない場合があります。

固着している場合に剥離するために、ネジ穴が2ヵ所空いています。

ここにM8のボルトを捻じ込むと固着していても簡単に剥離することが出来ます。

あらかじめ、M8のボルトも用意していましたが、今回は全く固着していなくて使いませんでした。

ブレーキパッドとディスクローターを新品に交換して元に戻せば交換完了ですが、ブランケットの錆や汚れも酷いので、交換前に出来るだけ綺麗に磨きます。


真鍮ブラシで錆を落とします。
汚れはパーツクリーナーと歯ブラシで落とします。

ブランケットのスライドピンにはゴム製のブーツが付いていますので、ブラシで擦って破らない様に気を付けて下さい。

スライドピンの動きが鈍い場合は、スライドピンを引き抜きパーツクリーナーで古いグリスを落し、シリコングリスを塗り直すと動きが復活します。

このスライドピンの動きが鈍いと、ブレーキの引きずりの原因となりますので、ブレーキを踏んでいないのに引きずり音がする場合は、スライドピンを清掃すると良いです。

シムは再利用するため、パーツクリーナーできれいにします。


新しいブレーキパッドにシムを移設します。
純正パッドにはシムが2枚重ねて付けてありますが、今回交換するDIXCELのパッドには内側の鳴き防止用のシムが1枚初めから付いているので、外側のシムだけ純正から移設します。

ちなみに、今回交換するDIXCELのパッドの様に鳴き防止用のシムが付いている場合は必要ありませんが、そうでない通常のシムの場合は、シムの間にシリコングリスを塗ることによってブレーキの鳴きを抑えますのでご参考に。

ブレーキブランケットに、ブレーキパッドをはめたらブレーキディスクローターに被せるように取付けます。


裏側のボルト2ヵ所をしっかり固定。
ブレーキパッド側面の針金も忘れず取付けましょう。
(僕はこの針金を取付け忘れて、再度組み直しました。針金を付け忘れるとタイヤを回した時にブレーキを引きずるのでそこで気づきました。)

ブレーキキャリパーを取付ける時は、ピストンを押し戻しておく必要があります。

プリウスのリアブレーキキャリパーのピストンはちょっと特殊です。
押して戻すタイプでは無く。時計回りに回すと戻るタイプです。

プライヤーの先をピストンの凹凸に引掛けて、時計回りに回すとピストンが引っ込んでいきます。


ただし、ここで注意!
日中の炎天下の中で作業をしないこと。
僕は、日中の炎天下の中作業を開始したら、ピストンを押し戻しても、気温上昇によるブレーキホース内の圧力上昇によりピストンが押し出されるの繰り返し、最初に交換した右側はピストン引っ込めるのに30分かかりました。気温が下がり始めてから交換した左側は2~3分回し続けただけでピストンが引っ込みました。


ブレーキキャリパーのピストンを押し戻したら、ブレーキパッドを挟むように取付けます。

取り外した時の逆手順で、裏側からスライドピンのところにボルトを締め付けます。


タイヤを取付けて、ジャッキアップしたままタイヤをゆっくり手で回し、ブレーキを引きずっていないことを確認しましょう。もしも、ブレーキを引きずっていたら、もう一度取り外して清掃、スライドピンなどをグリスアップしてから組み直しましょう。

重要部品なので、お店で整備士に作業してもら方が良いですが、やってみると自分でも簡単に出来ました。


最後に

交換直後は、ブレーキのあたりが出ていないため、効きが悪いので注意です。通常100kmほど走行すると当たりが出ますが、プリウスのリアは回生ブレーキ(充電)が先に効いて、ブレーキパッドの減りが少ないので、ブレーキのあたりが出るのがもっと遅いかもしれませんね。

安全運転で行きましょう。


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