WR250Rに低速トルクが欲しくてスプロケット交換を考える

オフロードバイク(WR250R)に乗るようになってからというもの。これまでは気にも留めなかった小道が気になってしまいます。

車やオフ車じゃないバイクでは、走りたいとは思わない道も、WR250Rに乗っていると、いったいこの道は何処に続いているのか?なんて好奇心を持って進んでしまいます。

ただ、小道も奥へ奥へ進むと、初心者が操るWR250Rは、良く立ち往生します。

丸太越えに失敗してエンストして、丸太を枕にしてWRが寝てしまいました。

オンロードを走る分には、低速からトルクフルでエンストすることなどないWRですが、山に入ると、トコトコと歩くような速度で通過する場所もあり、回転数上げて走る腕の無い僕は、ストンとエンストして転倒(まぁ、それも含めて楽しいのですが)。


山に行ってみて思ったこと。

低速トルクが欲しい!

次のカスタムはマフラー交換かモタード化(お金があれば)もいいなぁなんて妄想を膨らませていましたが、そんなことよりも今は、低速トルクが欲しい!山道でエンストしないトルクが欲しい!

と、言うことで、スプロケット交換(2次減速比の変更)を思い立ったしだいです。




スプロケット交換で2次減速比はどれだけ変わるか?

WR250Rのノーマルスプロケットはドライブ(フロント)13T、ドリブン(リア)43Tです。

2次減速比は43T÷13T=3.308です。

同様に、スプロケットを交換した場合の2次減速比を計算し、一覧表にしてみました。

WR250R/Xの2次減速比
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
3.333
3.077
2.857
41T
3.417
3.154
2.929
42T
3.500
3.231
3.000
43T
3.583
3.308
3.071
44T
3.667
3.385
3.143
45T
3.750
3.462
3.214
46T
3.833
3.538
3.286
47T
3.917
3.615
3.357
48T
4.000
3.692
3.429
49T
4.083
3.769
3.500
50T
4.167
3.846
3.571
51T
4.250
3.923
3.643
52T
4.333
4.000
3.714


これだけではいまいちイメージがわかないので、どれだけ変わるかをノーマルの13T-43Tを100%として比較。

WR250R/X ノーマル比速度 
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
99%
108%
116%
41T
97%
105%
113%
42T
95%
102%
110%
43T
92%
100%
108%
44T
90%
98%
105%
45T
88%
96%
103%
46T
86%
93%
101%
47T
84%
91%
99%
48T
83%
90%
96%
49T
81%
88%
95%
50T
79%
86%
93%
51T
78%
84%
91%
52T
76%
83%
89%

ドライブ(フロント)スプロケットは、歯数を小さくすると速度レンジが小さく(ショート)になり、歯数を大きくすると速度レンジが大きく(ロング)になります。
ノーマルから1丁変えると8%変わります。

ドリブン(リア)スプロケットは、歯数を小さくすると速度レンジが大きく(ロング)になり、歯数を大きくすると速度レンジが小さく(ショート)になります。
ノーマルから1丁変えると2~3%変わります。

減速比を変えるとどうなるか?

ロングに振るメリットとデメリット

ロングに振ると、1つのギアで使える速度の幅が広がるため、ギアチェンジの回数が減って、最高速も伸びるというメリットがあります。燃費にもいい。

デメリットとしては、パワーは同じでギヤ比で最高速を伸ばすので、パワーが薄くなる。

ショートに振るメリットとデメリット

反対にショートに振ると、パワーが濃くなるのが最大のメリット。速度は低くなるけど、山でトコトコ走るのには速度が低くなのはむしろ歓迎。

デメリットは、あまりショートに振りすぎると、速度レンジが狭くなり、特に街乗りはギアチェンジの回数が増える。濃いパワーでドンつき感が大きくなり乗りにくくなる。燃費も悪くなる。

数パターン試して自分に合った減速比を探る

ショートに振るのは決まっているのですが、何処までショートに振れば満足できるのかが、最初は想像もつかないです。

ドライブスプロケットなら値段も安いし、ドリブンスプロケットより交換も簡単なので、取合えずドライブ1丁落して試してみるのもおすすめ。

WR250R/Xに取り付け可能なドライブスプロケットは、12丁、13丁、14丁の3種類。
チェーンの長さを変えずに対応できる範囲なら、ドライブスプロケット3つ全部持っておけば、3パターン試すことが出来ます!

欲張りな僕は、これだ!って思いましたね。

そこで、必要なチェーンの長さを調べてみました。


WR250R/Xのチェーンの長さ(リンク数)

チェーンの長さは、チェーンメーカーのDIDのホームページで計算することが出来ます。
こちらのリンクから計算できます。
http://didmc.com/chain/chainlink/

WR250Rノーマルのチェーンサイズ520の108リンクでスプロケットは13T-43Tを基準に計算すると。

WR250R/Xチェーンリンク数計算値
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
106.0
106.5
107.0
41T
106.5
107.0
107.5
42T
107.0
107.5
108.0
43T
107.5
108.0
108.5
44T
108.0
108.5
109.0
45T
108.5
109.0
109.5
46T
109.0
109.5
110.0
47T
109.5
110.0
110.5
48T
110.0
110.5
111.0
49T
110.5
111.0
111.5
50T
111.0
111.5
112.0
51T
111.5
112.0
112.5
52T
112.0
112.5
113.0

チェーンの1コマは両側に穴が開いた形状ですので、リンク数は偶数しか存在しません。
計算値を偶数に切り上げた数が、実際に使えるチェーンのリンク数です。
多少の余裕はあるので、0.5は偶数に切上も切捨ても使えるはずってことで、表を色分けしてみました。

WR250R/Xチェーンリンク数
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
106
106
108
108
41T
108
108
108
42T
108
108
108
43T
108
108
108
110
44T
108
108
110
110
45T
108
110
110
110
46T
110
110
110
47T
110
110
110
112
48T
110
110
112
112
49T
110
112
112
112
50T
112
112
112
51T
112
112
112
114
52T
112
112
114
114

チェーンを変えずにドライブスプロケット12T~14Tの3種類交換できるのは、

108リンクなら、ドリブン41T~43T
110リンクなら、ドリブン45T~47T
112リンクなら、ドリブン49T~51T

僕の場合、ノーマルよりロングは必要無いけど、ノーマルと同じ位の2次減速比は残しておきたいということで、ドライブ14Tの時にノーマルと同じ位の2次減速比になるドリブンスプロケット47Tでチェーンのリンク数は110リンクを選択しました。
(ちなみに、悩みに悩んで数日間は考え込みました。)

普段の山道散策はドライブ12T-ドリブン47Tで、ツーリングメインで乗る時期はドライブ14Tに交換すれば高速も快適という目論み。


スプロケット交換で速度はどれだけ変わるのか?

あまりショートに振ると、速度が出なくなるので、どの位の速度になるかが気になるところです。

計算してみました。

必要な情報として
リアタイヤの外周
サイズ120/80-18 M/Cの場合は、外径661mmなので、外周は2076.6mm

WR250Rの変速比
1速2.642
2速1.812
3速1.318
4速1.040
5速0.888
6速0.785

WR250Rの1次減速比
3.12

WR250Rの2次減速比
上の最初の表

計算式は、
回転数rpm/変速比/1次減速比/2次減速比×リアタイヤの外周

最高速の計算

WR250Rのレブリミットは12,000rpmですが、6速で12,000rpmまで回るのか?という疑問もあるので、最高速の計算は最大出力(31PS)を発生する10,000rpmで計算してみました。

WR250R 6速10,000rpm速度(最高出力)
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
152.6
165.3
178.1
41T
148.9
161.3
173.7
42T
145.3
157.5
169.6
43T
142.0
153.8
165.6
44T
138.7
150.3
161.9
45T
135.7
147.0
158.3
46T
132.7
143.8
154.8
47T
129.9
140.7
151.5
48T
127.2
137.8
148.4
49T
124.6
135.0
145.3
50T
122.1
132.3
142.4
51T
119.7
129.7
139.6
52T
117.4
127.2
137.0
  単位:km/h

トレイルバイクなのにノーマルでも150km/hオバー出るんですね。さすがWR(ワイドレイシオ)です。
日本の交通ルールなら、ショートに振っても最高速まで使い切る心配はいらないですね。


市街地走行の速度

市街地を走るときは、低~中回転域で走行します。回すと音量も気になるしね。
WRにタコメータは無いですが、僕の場合、おそらく4,000~5,000rpm位で走行しています。
となると、市街地をジェントルに走行する場合の速度は、

WR250R 6速4,500rpm速度(市街地走行)
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
68.7
74.4
80.1
41T
67.0
72.6
78.2
42T
65.4
70.9
76.3
43T
63.9
69.2
74.5
44T
62.4
67.6
72.8
45T
61.0
66.1
71.2
46T
59.7
64.7
69.7
47T
58.4
63.3
68.2
48T
57.2
62.0
66.8
49T
56.1
60.7
65.4
50T
54.9
59.5
64.1
51T
53.9
58.4
62.8
52T
52.8
57.2
61.6
単位:km/h

日本の一般道の法定速度は60km/hですので、12T-47Tでも、一般道なら大丈夫そうな気がします。


高速ツーリングする速度

高速では、市街地より回しますが、振動と燃費とエンジンの負荷を考え6,000rpm位で巡航した場合の速度を計算してみました。

WR250R 6速6,000rpm速度(高速走行)
ドリブン
ドライブスプロケット
12T
13T
14T
40T
91.6
99.2
106.8
41T
89.3
96.8
104.2
42T
87.2
94.5
101.7
43T
85.2
92.3
99.4
44T
83.2
90.2
97.1
45T
81.4
88.2
95.0
46T
79.6
86.3
92.9
47T
77.9
84.4
90.9
48T
76.3
82.7
89.0
49T
74.8
81.0
87.2
50T
73.3
79.4
85.5
51T
71.8
77.8
83.8
52T
70.4
76.3
82.2
単位:km/h

高速走るなら、ノーマルの13T-43Tと同じ位の減速比は欲しいところですね。

やはり、12T-47では高速は厳しそうなので、ドライブを交換して14T-47Tする考えは良さそうです。


まとめ

実用速度をみても、山遊びのギヤ比と高速ツーリングのギヤ比は、使い分けた方がより楽しめそうです。

という訳で、ドライブスプロケット使い分けで、普段の林道探索は12T-47T、ツーリング時期には14T-47Tとすることに決定しました。

というのがこの記事のまとめですが、
実は交換したのは結構前のこと、今ではもっとショートに12T-51Tでチェーン112リンクにしても良かったかなって思っています。

スプロケットとチェーンを交換した記事は次回です。


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2 件のコメント :

  1. WR250R/Xでスイングアームの下側をチェーンが擦り、気が付かずにいるとスイングアームを削ってしまうことがあります。(最悪スイングアーム交換になります)
    出来ればフロント14T以上が望ましいです。
    あるいはスイングアームピポッド近くの下側チェーンガードを頻繁にチェックして交換する対策でも避けられます。
    参考まで。

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  2. この記事、世界一分かりやすくて助かります❗

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