上級者がモトクロスコースを走る場合は、純正より硬いハードスプリングに交換する場合もあるようですが、林道ユースの多くの一般ライダーは、ソフト側に調整しているケースが多いです。
どういったコースをどの様に走るか、乗り手の技量やフィーリングで最適なサスセッティングが異なるから難しいです。
オンロードを走るバイク乗りの大多数の方にはオフロードバイクのWR250Rのサスペンションは、きっと柔く感じられるでしょう。
しかし、林道を走る楽しさを知った僕には、オンロードの走り易さより林道を気持ち良く走ることに重きを置き、サスペンションをさらに柔らかくセッティングすることにしました。
サスペンションの硬さを変える3つの方法
1.減衰力調整
これによりサスペンションの動き易さを変えることが出来てフィーリングが変わります。
一般的には、減衰力を弱くすると町乗りの乗り心地が良くなる一方で高速走行ではふわふわした感触になり、反対に減衰力を強くすると追従性が良くなりきびきびした動きになる一方で乗り心地はゴツゴツした感触に変わります。
2.プリロード調整
3.スプリング交換
手軽に行える順に書きましたが、変化が大きいのは逆順になります。
スプリング交換は費用が掛かりますが、減衰力調整とプリロード調整は自分で行えば費用は掛かりませんので、現状に満足していないなら試して見る価値はあります。
リアサスペンションのプリロード調整をしてみる
サグ出しとは
言い方を変えると、リアタイヤが上下の動きに追従出来る限界範囲です。
サグ出しをする場合は、0G、1G'、ホイールトラベルをそれぞれ測定する事になります。
一般的に測定する場所は、アクスルシャフトからリアフェンダーの距離を計ります。
サグ出しをしてみる
0Gから1G'の沈み込み量が(270mmの3分の1の)90mmになるようにプリロードを調整するのが理想値です。
スイングアームが自重で下がり切った状態、つまりリアサスペンションが伸び切った状態にする必要が有りますので、スイングアームを支えて持ち上げるタイプのバイクスタンドではではなく、上の写真の様なオフロードバイク用のリフトスタンドが必要です。
測定する場所は、毎回同じ場所を基準にします。僕はスイングアームのアクスルブロックがはまる窪みからメットホルダーまでの距離を測ることにしました。
0Gの時が580mm。
1G'を測る時は、ライダー(自分)が乗車し足を地面から離した状態で、アクスルシャフトからリアフェンダーまでの距離を計ります。一人では、測定出来ないので、誰かに手伝って貰う必要があります。
ちなみに僕は、手伝ってくれる友達がいないので、柱に少し寄りかかってバランスを取りながら、距離を計ります。
バイクの向こう側にあるガレージの柱に肘を当ててバランスを取ります。
1G'の測定も0Gの時同様にアクスルブロックからメットホルダーまでを測ります。
1G'の時が493mm
僕の場合、0Gから1G'の沈み込み量は、580-493=87mmで、理想値の90mmに近い状態でした。
この0Gから1G'の沈み込み量が大きければ、リアサスペンションのプリロードを大きくし、サスの動きを硬くします。反対に沈み込みが浅ければ、リアサスペンションのプリロードを小さくし、サスの動きを柔らかくします。
リアサスペンションのプリロードを変える
リアサスペンションのスプリング上側アジャスターでプリロードが調整出来ます。
アジャスターを右に回せばスプリングの抑えが緩くなりサスペンションは柔らかくなります。サスペンションを硬くしたい時は反対です。
調整するためには、リアサスペンションを取り外す必要があります。車種によってはリアサスを取り外さなくても調整出来る様ですが、スリムなWRの場合は、手の入る隙間が無いため取り外して調整する必要があります。
先輩方のブログを拝見すると、WR250Rの場合車体左側のバッテリーの下側のリアフレームの隙間からリアサスペンションを取り出していますが、僕のWRは、どうやってもここからは取り出すことが出来ませんでした。
無理に引き抜こうとして、塗装が剥がれてしまいました。
写真はサイドカバーが付いていますがもちろん外してトライしました。
バッテリーの下側にあるEXUpサーボモーターを取り外してあれば隙間が少し広がるので、隙間を通す事が出来たかもしれません。
僕が参考にしたブログの先輩方は、みなさんマフラーを交換していますので、EXUpサーボモーターは付いていない様子でした。
結局、スイングアームを取り外してリアサスペンションを取り出しました。
アジャスターの調整には、フックレンチを使いますが、固着して全く動きません。
マイナスドライバーをアジャスターに当てて、ハンマーで柄をコツコツ叩いて少しずつ動かしました。アジャスターに傷がつくので出来ればやりたくない方法ですが、これでなんとかアジャスターが動く様になりました。
調整前は端からネジ山8つ残してアジャスターが固定されていたのを、端からネジ山4つ残してアジャスターを固定。
車体に組戻し股がって見ると確かに柔らかくなっています。
1G'(1名乗車時)のアクスルブロックからメットホルダーまでの距離を測って見ます。
プリロード調整後の1G'が483mm
(0G)580mm-(1G')483=97mmの沈み込み量になります。
調整前より約10%柔らかい足回りとなりました。
それから嬉しいことに、足付も10mm良くなりました。
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