クランクケースプロテクター自作



こんにちは、オフロードバイク(WR250R)に夢中のイナカクジラです。

バイクで転倒したときにシフトペダルがクランクケースに突き刺さりクランクケースが割れると言うのが、よくある話です。

クランクケースの破損リスク低減のために、プロテクターを自作して取り付けた紹介記事です。


転倒時クランクケースにかかる衝撃は大きい

僕のWR250Rは、大きな転倒はしていませんが立ちごけ程度の転倒を何回かしています。

左側のクランクケースにシフトペダルで付けた傷が付いています。

よく見ると結構深い傷です。

転倒時の衝撃がシフトペダル一点に掛かりクランクケースに伝われば、それは大きな圧力になります。

仮にシフトペダルの傷痕0.1cm2(1㎜×10㎜)位の一点にWRの車体重量130kgが掛かったとしたら、

その圧力は
130kgf/0.1cm2=1,300kgf/cm2

1トンを超える力!(冴羽獠もびっくりです!)

転倒でクランクケースが割れるのも納得です。


クランクケースプロテクターが有効

一点に力が掛かるから破損するわけで、例えば、縦横5倍程度の2.5cm2(5㎜×50㎜)の面積に分散させてやれば、

その圧力は
 130kgf/2.5cm2=52kgf/cm2

1/25の圧力に変る訳で、クランクケースが割れる心配もありません。

そのために、クランクケースプロテクターが有効なのです。

ヤフオク等で3k+送料程度の値段で販売されているようですが、ただの金属プレート。

暇なので、自分で作ってみました。


クランクケースプロテクターの自作方法

素材

プレートの材質と厚みでプロテクターの性能が決まります。
先ほどの計算では、1,300kgf/cm2の程度の圧力では表面は変形しても、裏面(クランクケース側)まで変形が及ばないのが理想です。

アルミなら軽いし加工もしやすいですが、ある程度の厚みが必要です。

ステンレスなら、アルミより薄くても大丈夫です。重いので必要以上に厚くしない方がよいです。

チタンは、軽くて、硬くて一番向いていますが、高いのとどこで手に入るのかが問題です。

各素材のヤング率は、ステンレス(SUS):200、アルミ(Al):70、チタン(Ti):100、変形しにくいと言ったらステンレスが良いです。
アルミなら変形して吸収するって考え方もありますが、ある程度の厚さが必要ですので、シフトペダルとのクリアランスが狭くなるのも気になります。

ステンレスで作成する事にしました。

厚さ1㎜のステンレスプレートを買ってきました。400円位です。
(厚さ1㎜で十分か分かりませんが、良くバイクを倒すので、この先クランクケースが割れるかどうかで分かるでしょう。)

型取り

バイクのクランクケースに透明テープを貼って型をトレースします。

厚紙に貼りつけて、切りだして型を作ります。

現物合わせで微調整。

わざわざ厚紙で型を作らなくてもいいけど。
こんな感じの物をステンレスプレートで作るという予行練習です。

ステンレスプレートの切りだし

型に合せて、ステンレスプレートを切り抜きます。


家にグラインダーがあるので簡単と思っていたら、火花散って、切断部は真っ赤になりながらも、なかなか切れない。

ステンレスの切断を甘く見ていました。

アルミ材にしとけばよかったと後悔しながらもなんとか切出しました。

このままでは、周囲がギザギザなので、周辺を削って形を整え、角を取って完成です。


取り付け

クランクケースとステンレスプレートをパーツクリーナーで脱脂して、両面テープで張り付けました。


遠くから見ると違和感なくいい感じです。
(近くで見ると歪な形で自作だと分かりますがw)

 これで、精神的な不安もちょっとは解消されガンガン練習出来そうです。


効果の確認

プロテクターの効果など確認したくはなかったのですが、路上で事故にあい、その効果を確認することになりました。

(事故の状況は、機会があればまた記事にするとして、)

自作クランクケースプロテクターは、見事にクランクケースを守ってくれました。


左側に倒れ、シフトペダルは、上の写真のとおりアスファルトで削られ、衝撃で曲がって使い物にならなくなりました。

それだけの衝撃があったので、ステンレスプレートで自作したクランクケースプロテクターにも深い打痕が残っていますが、割れやすいと言われるWRのクランクケースは、無事でした。

ステンレスプレートなら1mmの厚さで十分プロテクターの役割を果たしてくれました。



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