僕は、転職活動をした経験があるのですが、面接って苦手です。何を聞かれるのか数日前から不安になり、何度も「面接 質問」のワードで面接の質問例を検索して、何って回答しようか考えたりしてました。
きっと、検索でこの記事を見ている方はその時の僕と同じ状況なのではないでしょうか。
僕は転職後に人事課に配属され、採用試験にも携わることがありますが、受検者が緊張のあまり実力を出せないのは、残念で仕方ありません。
少しでもお役に立てればうれしいです。
初めに
Web検索すれば、「面接で良くある質問○○」なんて題名でいっぱいでてきますが、職員採用に携わってみると、これは面接で聞いちゃいけないのに、って思うのもチラホラあります。
タイトルの「尊敬する人は誰ですか?」という質問は、面接でよくある質問です。
ただし、現在において、優良企業では絶対にこの質問はしません。その理由を説明しながら、優良企業が何を基準に面接を行っているか解説したいと思います。
なお、この記事で、優良企業であるかどうかは、企業規模の大小は関係なく、職員及び顧客の人権を尊重している企業であるかどうかを基準としています。人権を軽視している或いは法令を遵守しない企業はブラックだ!という前提でこの記事を書いています。
優良企業が面接でしない質問
×「尊敬する人は誰ですか?」
良くありそうな質問(実際、少し前までは良くされていた質問)ですね。
しかし、現在においてこの質問は、優良企業なら絶対に聞きません!
何故なら、受検者の思想信条を採用選考の基準にしていると捉えられかねないからです。
ちょっと分かり難いですね。もう少し解説すると、
個人の思想や信条は、本来自由であるべきことです。日本国憲法も第20条でそれを保障しています。
あなたが、誰を尊敬しようが、それはあなたの自由です。本来自由であるべきことを、採用の基準とすることは、就職差別に当たります。
「あなたの宗教は?宗派は?」なんて採用面接で聞かれたらおかしいと思うでしょう。尊敬する人を聞くのも同じなのです。
労働基準監督所からも、人権問題につながる可能性のあることは、指導を受けますので、誤解をされないためにも、この質問はしません。
しかし、これまで「尊敬する人は誰ですか?」と言う質問が良く行われてきたのは、受験者の思想を探るためでは無く、受験者が将来どのように成長したいと考えているのか?どんな目標を持っているのか?ということを具体的な人物像を示すことで、分かり易かったという理由があります。
採用する側は、受験者が目指すものや目標は知りたい事項です。
では、どういう質問をするかと言うと
○ 「将来どのように成長したいと考えていますか?」「どのような目標を持っていますか?」
そのまま、ですね。
この質問なら、会社が欲しい人物像と、受験者が目指すものが一致しているかどうかを確認するために聞いているだけで、思想や信教は聞いていません。
尊敬する人を聞くのと同じ理由で、しない質問は他にもあります。
×「好きな本は何ですか?」
この質問もしません。履歴書に趣味は読書なんて書いてあった場合は、質問してもいい様な気がしますが、それでも愛読書を聞くことは絶対にありません。
傾向思想の本はたくさんありますから、受験者の思想を探る様な質問はしません。
聞くとしたら、
○「趣味の読書を通じて、あなたが得たものは何ですか?」
本の題名や作者は、聞かずに、あなたが経験として得たものを聞きます。
ほかにも、
×「結婚しても仕事を続けますか?」
今の時代、ブラック企業でもこんな質問をする経営者はいないと思いますが、あなたの将来を制限するような質問は絶対にしません。
×「兄弟は何人いますか?何番目ですか?」
血液型性格判断や兄弟の何番目かでその人の性格が分かると信じている方がいらっしゃいますが、そういった偏見で受験者を評価することは、まともな企業は行いません。
また、そういった誤解をされないためにも、血液型や、兄弟のことなどは聞くことはありません。
×「ご家族は何をされていますか?」
本人以外のことを、面接の場で聞くことはありません。一緒に暮らしている家族のことでも面接の場では聞きません。
ただ、最近は、合格通知を出したあとに、親が反対していると言って辞退するお子様がいるので、「保護者の方も当社に就職することを希望されてますか?」と聞くケースもあるらしいです。これも面接で聞いてはいけないのですがね。
×「出身地はどちらですか?」
初対面の方と話しをするときに、話題を探すために出身地は聞きそうなことですが、採用面接の場では絶対に聞きません。出生を聞くことは、部落差別などのいらない心配を受験生にかけてしまう可能性もありますから。
なぜ優良企業は、こういった質問はしないのか?
先ほどあげた事例は、良くありそうな質問ですが、現在においてこれらの質問は、優良企業なら絶対にすることは無いです。
質問しないと言うよりは、質問してはいけないと言った方が正しいです。
もし、こういった質問を平然としてくるなら、ブラック企業かもと警戒した方が良いですよ。
なぜなら、
不適切な質問の代表例として、厚生労働省、最寄りのハワーワーク、都道府県等からずっと以前から周知されているからです。
採用に携わる人間が知らないわけ無いのです。例え面接官がお偉いさんでも、事前に、こういう質問はしないで下さいと打合せをします。
企業側からこういった質問をしてはいけないのです!
もし、面接で不適切な質問があり、受験者が所管のハローワークに通報したら、企業は指導を受けます。(うちは受けたことは無いけど)
そしてその指導内容は、不適切な事例として、所管エリアの企業に周知されます。それを無視して、あるいはいまだに知らずに質問しているなら、まともな企業じゃないかも知れませんね。
圧迫面接なんて論外です。
(採用されてからも圧迫されますよやめておきなさい。)
厚生労働省から出ている通知
厚生労働省が出している公正な採用選考についてはWebで誰でも確認出来ます。
採用試験で特に注意しないといけない事項について14項目をあげています。
【就職差別につながる恐れがある14事項】
本人に責任のない事項
①本籍・出生地
②家族
③住宅状況
④生活環境・家庭環境
本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)
⑤宗教
⑥支持政党
⑦人生観・生活信条など
⑧尊敬する人物
⑨思想
⑩労働組合・学生運動などの社会運動
⑪購読新聞・雑誌・愛読書など
採用選考の方法
⑫身元調査など
⑬全国高等学校統一応募用紙・JIS規格の履歴書(様式例)に基づかない事項を含んだ応募書類の使用
⑭合理的・客観的に必要性がない健康診断
引用:厚生労働省HP(公正な採用選考の基本)
企業が参考にしている採用試験ガイドブックは誰でも見られる
多くの都道府県で、ガイドブックを作って配布していますので、「(都道府県名) 公正 採用」で検索すれば、あなたが受検する企業が参考にしている、採用試験のガイドブックが見つかるかもしれません。
これらのガイドブックは採用試験を行う側のために作られたものですが、もしこれから、あなたが就職活動をされるなら、目を通してみて下さい。
どういう基準で採用試験が行われるか分かっていれば、ちょっとはあなたの不安も軽くなるかもしれません。
終わりに
ぼくも、この記事を書く5年前に転職活動をしました。30代での転職で不安でしたし、面接はすごく緊張しました。これから就職活動をされる方を応援したいです。がんばってください。
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